カテゴリ:本( 16 )

オスカー・ワイルド

「その悪の習慣からや不幸にもかかわらず、びくともしない無垢を持ち続けた男」ボルヘスがオスカーワイルドを讃えた言葉。
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by oyukibo | 2015-01-19 23:46 |

海のこと

豊穣の海 第一巻 「春の雪」  著/三島由紀夫 より

退いてゆく波の彼方に、幾重にもこちらへこちらへと折り重なってくる波の一つとして白いなめらかな背を向けているものはない。みんなが一せいにこちらを目ざし、一せいに歯噛みをしている。しかし沖へ沖へと目を馳せると、今まで力づよく見えていた渚の波も、実は希薄な衰えた拡がりの末としか思われなくなる。次第次第に、沖へ向かって、海は濃厚になり波打ち際の海の希薄な成分は濃縮され、だんんだん圧搾され、濃緑色の水平線にいたって、無限にに詰められた青が、ひとつの硬い結晶に達している。距離とひろがりを装いながらその結晶こそは海の本質なのだ。この稀いあわただだしい波の重複のはてに、かの青く凍結したもの、それこそが海なのだ。......

(新潮文庫 P.273)
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by oyukibo | 2010-08-02 22:16 |

春の雪

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三島由紀夫『豊饒の海1−春の雪−』より
「貴様は、きっとひどく欲張りなんた。欲張りは、往々悲しげな様子をしているよ。貴様は、これ以上何が欲しいんだい」
「なにか決定的なもの、それがなにかわからない」P,25

「…すべて神聖なものは夢や思い出と同じ要素から成立ち、時間や空間によってわれわれと隔てられているものが、現前していることの奇跡だからです。しかもそれら三ついずれも手で触れることのできない点で共通しています。手で触れることのできたものから、一歩遠ざかると、もうそれは神聖なものになり、奇跡になり、ありえないような美しいものになる。事物にはすべて神聖さが具わっているのにわれわれの指が触れるから、それは、汚濁になってしまう。われわれ人間は、不思議な存在ですね。指で触れる限りのものを汚し、しかも自分のなかには、神聖なものになりうる要素を持っているんですから。」P,61

-YUKI NINAGAWA-
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by oyukibo | 2010-02-16 21:36 |

「日本書史」「近代書史」

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すべては、このための助走だった。高階秀爾氏が“おそるべき書物”と評した石川九揚氏の凄い文化論。

-YUKI NINAGAWA-
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by oyukibo | 2009-09-13 02:51 |

神々の眠る「熊野」を歩く

神々の眠る「熊野」を歩く 植島啓司・著 集英社新書


この列島には、二つの系列の神々がいる。
一方は、比較的よくしられており我々は、その神社に出向いても、それらと出会うことが出来る。もう一方の神々はいつもわれわれのすぐ近くにいるのに、なかなか出会うことが出来ない。ただその痕跡だけは、いたるところにみられるのでわれわれはさまざまな目印をもとに、それらをどこまでも追跡することができる。p.7


神を感じるとは、自分の中に何かが入り込んでくる経験ではないかと思う。自分がマイナスにならないと神のは入り込む余地はない。普段のプラスである自分をやめなければならない。そのためには、いつも思うことだが、話をしない。お願いをしない。触る。温度を感じる。気圧を感じる。湿度を感じる。聴く、匂い感じる、風を感じる、感覚を開く、そして、自分の前のものだけを見ることである。そうしないとなにが変化したのかを感じることはできないだろう。p.46

本文より抜粋
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by oyukibo | 2009-04-26 02:38 |

偶然のチカラ

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偶然のチカラ   著:植島啓司 集英社新書

偶然は、必然か?必然は、偶然か?

バベルの図書館やラプラスの悪魔・・・
ボルヘスやパスカルや南方熊楠・・・
さまざまな知的好奇心を刺激しつつ導き出された素敵な答え。

未来が見えないとき、いったどうしたらいいのだろう?
自分で選択するべからず!
世の中には、どうにもならないこともある。
自分に起こったことは、すべて必然と考える習慣を身につけて
悪いことの連鎖を断ち切る。とのこと~

宗教学者・植島啓司さんのご本はいつも面白く一日で読んでしまえます。

ーYuki Ninagawaー
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by oyukibo | 2009-03-30 23:34 |

NO MORE WORDS

沈黙は、人の心をかき立てる。そんな私の気持ちを代弁してくれる言葉に出会いました。

「・・・私に不愉快な思いをさせる人、自分のことを話せない人の願いを知ろうとするとき、この疑問が必ず浮かぶ。他者の沈黙は、底知れぬ誘惑だ。意識しているものも、していないものも、すべての考えを映してごらんと人を誘う。」

リーズ・モリンドバーグ「母の贈り物」より
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by oyukibo | 2009-01-16 17:59 |

薔薇の回想

サンデグジュペリの妻が書いた回想録。
長い間、トランクの奥にしまわれて人目を見なかったが、サンデグジュペリ没後100周年に出版されてベストセラーになった作品。「こんな愛は病だ。決して治ることのない重病だ。」と本人が語っている。苦しくって切なくって、激しい愛の形をみた。
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by oyukibo | 2007-12-25 02:49 |

20世紀の神秘思想家たち

Twenties Century Mystics and Sages
-アイデンティティの探求-
アン・バンクロフト著 吉福伸逸訳 平川出版社
アラン・ワッツ/クリシュナムルティ/メハー・ババ/カスタネダ/ルドルフ・シュイタイナー/マザー・テレサなど思想と人生を描いている。どの神秘思想家も聖者と呼ばれた人も、とても人間的でいとおしい。
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by oyukibo | 2007-07-09 01:02 |

悪霊

Бесы
Фёдор Михайлович Достоевский
新潮社文庫・江川卓訳
スタブローキンの最後の独白は圧巻。狂気とは何か。人間を襲う悪霊のようなおぞましき何か。人が狂気に陥る瞬間。あるいは狂気の兆し。すべて書き尽くされている。ルキノ・ビスコンティー監督は、「地獄に堕ちた勇者ども」の中でヘルムート・バーガー扮する青年と少女との危険なシーンを描いているが、この部分をモチーフに描かれたことを発見した。
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by oyukibo | 2007-07-09 00:50 |